深蒸し茶の袋を開けて、葉の細かさに驚いたことはありませんか。その細かさは、普通の煎茶より長く蒸して作ることと関係しています。淹れたお茶の濁りや口当たりにも、その特徴が表れます。

深蒸し茶とは、煎茶より長く蒸して作るお茶

煎茶は、摘んだ葉を蒸し、揉んで乾かして作ります。その最初の蒸す時間を長くしたものが深蒸し煎茶です。日本茶業中央会の表示基準では、蒸し時間を煎茶の2倍以上としています。

比べる点普通の煎茶深蒸し茶
生葉を蒸す時間の例約30〜60秒120秒前後
葉の見た目の傾向形を見分けやすい細かな葉が多くなりやすい
淹れたときの特徴比較的透き通った色細かな葉が混じり、濁りが出やすい

秒数は農林水産省が紹介する掛川の製造例です。茶葉や作り方で調整するため、すべての商品を120秒と決めるものではありません。

「深蒸し」は工場で生葉を蒸す工程のこと。急須で長く待つ意味ではありません。 この二つを分けて覚えると、家で淹れるときにも迷いにくくなります。

いちお茶初心者

深蒸しだから、急須の中でも長く待つのかと思ってた

にい実験・道具担当

作るときの名前なんだね。淹れる時間は、袋の案内から試してみよう

緑茶と煎茶の関係から知りたい場合は、煎茶とはにまとめています。

深蒸し茶が濁るのは、細かな葉が混じるため

長く蒸すと葉の組織が壊れやすくなり、その後の製造で細かな葉が増えます。淹れると、その小さな粒が茶こしを通ってお茶に混じることがあります。

農林水産省の茶の淹れ方マニュアルは、微粒子が多く混じることによる濃い緑色や濃厚な味わいを、深蒸し茶の特徴として紹介しています。

ここでいう粒は、すべて水に溶けた成分という意味ではありません。細かな葉がお茶の中に浮いている、と考えると分かりやすくなります。濁りの強さは、使う茶葉や量、茶こしによっても変わります。

味は、色に加えて香りと口当たりも比べてみる

深蒸し茶の紹介では、「まろやか」「濃厚」といった言葉を見かけます。まずは一口飲み、舌に触れる感じや飲んだあとの味を確かめてみましょう。

  • 見た目: 透き通っているか、細かな葉が混じっているか。
  • 口当たり: 軽く感じるか、厚みを感じるか。
  • 味と香り: 甘み・旨み・渋みのうち何が印象に残るか。

濃い緑色だから必ず苦い、深蒸しだから必ず渋くない、とは限りません。原料の茶葉や仕上げ、湯温、浸出時間でも味は変わります。同じ「深蒸し」の二袋にも違いがあるので、気に入った茶葉の産地や品種を見てみる楽しみがあります。

言葉に迷ったら、お茶の味・香りの表し方を使い、「また飲みたいと思った理由」を一つ見つけてみてください。

深蒸し茶・粉茶・粉末茶はどう違う?

名前主に何を表す?
深蒸し煎茶煎茶より長く蒸す製法
粉茶仕上げのときにふるい分けた細かな茶
粉末茶茶を粉砕して粉にしたもの

細かな葉が多いからといって、深蒸し茶がそのまま粉末茶になるわけではありません。深蒸し茶は急須などで淹れ、茶こしで茶殻を分けて飲みます。袋の名前と淹れ方を見ると、使い方も区別しやすくなります。

淹れるときは、目の細かな茶こしと静かな注ぎ方が助けになる

細かな葉が多いので、急須を選ぶなら目の細かな茶こしが候補です。手元の急須で淹れられるなら、新しく買う必要はありません。

  1. 茶葉量・湯量・温度・時間をそろえる。 袋に案内があれば、その条件から始めます。
  2. 急須を大きく揺すらず、ゆっくり注ぐ。 葉を一度に茶こしへ寄せないようにします。
  3. 最後まで注いで味を見る。 次の一杯で濃さや渋さを調整します。

具体的な分量と、葉が詰まるときの扱いは深蒸し茶の淹れ方へ。商品を選びたい人は深蒸し茶の比較で、使う量や淹れ方に合うものを探せます。

次の一杯は、細かな葉と口当たりに注目する

深蒸し茶の名前が表すのは、製造中に長く蒸すことです。その作り方が細かな葉につながり、一杯の色や口当たりにも特徴が表れます。

今度飲むときは、色を眺めてから一口。見た目と味の両方に目を向けると、「濃そう」だけでは分からなかった好きなところが見つかるかもしれません。

よくある質問

深蒸し茶と深蒸し煎茶は同じ意味ですか?

一般に深蒸し煎茶を短く「深蒸し茶」と呼びます。緑茶の表示基準での名称は「深蒸し煎茶」です。この記事も、煎茶を普通より長く蒸して作るお茶について説明しています。

深蒸し煎茶と煎茶は何が違いますか?

現行の表示基準では、煎茶は茶葉を蒸熱し、揉捻し、乾燥したもの、深蒸し煎茶は同様の製造で蒸し時間を煎茶の2倍以上にしたものです。名称を分ける核は蒸し時間ですが、個別商品の原料、仕上げ、味、淹れ方まで同じ条件になる意味ではありません。

深蒸し茶は何秒蒸して作りますか?

農林水産省の掛川の製造例では、普通の煎茶は約30〜60秒、深蒸し茶は120秒前後です。これは製造中に生葉を蒸す時間で、急須に湯を入れて待つ時間ではありません。表示基準は煎茶の2倍以上と定義し、全商品の秒数を固定してはいません。

深蒸し茶がにごるのはなぜですか?

長く蒸した葉は製造中に細かくなりやすく、その細かな葉がお茶に混じるためです。すべてが水に溶けているわけではなく、小さな葉の粒が浮かんだ状態です。茶葉量や茶こし、注ぎ方でも見え方は変わります。

深蒸し茶は必ずまろやかで渋みが少ないですか?

深蒸し製法の傾向として説明されることはありますが、名称の定義が味を保証しているわけではありません。原料、品種、茶期、仕上げ、保存、茶葉量、湯量、湯温、時間によっても一杯は変わるため、商品説明と自分が淹れた一杯は分けて確かめてください。

深蒸し茶に合う急須はありますか?

細かな葉が多い深蒸し茶には、目の細かな茶こしが候補です。まず今の急須で、葉が少し入るだけか、注ぎ口の流れが止まるかを確認し、困りごとに合う網目と構造を選んでください。