抹茶は、緑茶の一種です。 急須で淹れる煎茶も、抹茶も、緑茶の仲間。二つの大きな違いは、茶葉をどう加工するかと、どう飲むかにあります。
いちお茶初心者
まずは形と飲み方を比べてから、家で試す分量、ラテやお菓子への使い分けを見ていきましょう。
抹茶と緑茶の違い|煎茶と比べると分かりやすい
| お茶 | 形・飲み方の違い |
|---|---|
| 抹茶 | 碾茶(てんちゃ)を細かな粉にしたもの。湯に混ぜ、粉を含めて飲む |
| 煎茶 | 茶葉を蒸して揉み、乾燥させたもの。湯で味や香りを引き出し、茶殻を分けて飲む |
「緑茶」は広い呼び名ですが、日常会話では煎茶を指すこともあります。上の表は、その抹茶と煎茶を比べたものです。農林水産省の緑茶の種類の説明にも、どちらも緑茶として載っています。
ほうじ茶や玄米茶との関係も知りたい人は、お茶の種類と味の違いへどうぞ。
抹茶と煎茶は、茶葉の加工が違う
抹茶:揉まずに乾燥した茶葉を、細かな粉にする
抹茶の原料になるお茶を**碾茶(てんちゃ)**と呼びます。茶園を覆って日光を遮り、育てた葉から作ります。
- 日光を遮って育てる:摘む前の2〜3週間ほど、茶園を覆います。
- 蒸して、揉まずに乾かす:こうしてできるのが碾茶です。
- 碾茶を細かな粉にする:茶臼などでひいたものが抹茶になります。
煎茶:蒸して揉み、乾燥させる
煎茶は、摘んだ茶葉を蒸す→揉む→乾燥させるという流れで作ります。抹茶のように碾茶を粉にする工程はありません。
煎茶にも日光を遮って育てるものがあるので、「抹茶は日陰、煎茶は日なた」とだけ覚えると取り違えます。まずは、碾茶を粉にする抹茶と、葉を揉んで仕上げる煎茶の違いを押さえれば十分です。
製法は日本茶業中央会の緑茶の表示基準に沿っています。煎茶の種類や味へ進みたい人は、煎茶とはどんなお茶かも読んでみてください。
抹茶と煎茶の飲み方|最初に試す分量
抹茶は粉に湯を加えて混ぜるので「点てる」、煎茶は葉に湯を注いで味を出すので「淹れる」といいます。家庭でまず試すなら、次の分量が目安になります。
抹茶を一服点てる
- 抹茶:1.5g(ティースプーンに軽く1杯ほど)
- 湯量:70mL
- 湯温:80℃を目安に
- 作り方: 抹茶をふるい、湯を加えて茶筅で混ぜる
丸久小山園の案内は1.5g・70mL、湯温は夏70〜80℃/冬75〜85℃です。ここでは両方の範囲に入る80℃を出発点にしています。茶葉を浸して待つ時間はなく、最初はゆっくり粉を混ぜ、その後に茶筅を前後に動かします。
抹茶は湯に完全に溶けるわけではなく、細かな粉が混ざっている状態です。しばらく置いて底に沈んでも不思議ではありません。道具の用意から知りたい人は、家で抹茶を点てる方法へ。
煎茶を湯200mLで淹れる
- 茶葉:4g(ティースプーン2杯ほど)
- 湯量:200mL(小さな湯のみなら2杯分)
- 湯温:80℃
- 浸出時間:30秒
伊藤園「お茶百科」の上級煎茶の目安です。袋に案内がないときの出発点として使い、急須から最後の一滴まで注ぎます。詳しい順番と好みへの調整は、緑茶の淹れ方にまとめました。
にい実験・道具担当
抹茶・粉末緑茶・粉茶の違い
煎茶を粉にしても、抹茶にはなりません。 緑色の粉のお茶には、原料や作り方が違うものがあります。
| 名前 | 何から作る? どう飲む? |
|---|---|
| 抹茶 | 碾茶を細かな粉にする。湯に混ぜて飲むほか、ラテやお菓子にも使う |
| 粉末緑茶 | 煎茶などを粉砕したもの。粉を湯や水に混ぜて飲む |
| 粉茶 | お茶の仕上げ工程でふるい分けた細かな茶。茶こしなどで茶殻を分けて飲む |
| インスタント茶 | 抽出したお茶を濃縮・乾燥させたもの。湯や水に溶かして飲む |
見た目が似ていても、粉茶を抹茶と同じように点てると、細かな茶殻まで口に入ってしまいます。買うときに「抹茶」「粉末緑茶」「粉茶」のどれかを見るだけでも、使い方を選びやすくなります。伊藤園の粉のお茶の説明も参考になります。
味・値段・カフェインはどう違う?
味は、濃さや口当たりにも注目する
どちらにも、うま味や苦味・渋味があります。抹茶は粉ごと飲むので、茶殻を除いて飲む煎茶とは口当たりも異なります。「抹茶だから甘い」「煎茶だから渋い」と決めず、まずは上の分量で飲み、自分には濃いか薄いかを見てみましょう。
ラテの甘さが好きな人は、抹茶そのものに砂糖のような甘さを期待すると戸惑うかもしれません。ラテに入る砂糖やミルクと、抹茶自体の味を分けて考えると、好みに合わせやすくなります。
値段は、一袋の量も一緒に見る
抹茶も煎茶も、銘柄や用途で価格に幅があります。たとえば、抹茶20gを1回1.5gなら約13回、煎茶50gを1回4gなら約12回分。袋の大きさが違っても、使える回数は近いことがあります。この回数は茶を用意する回数で、湯量や二煎目の有無は同じではありません。
カフェインは、一杯の量を決めて比べる
どちらもカフェインを含みます。公的な成分値を使うと、次のような目安になります。
| 飲む量の例 | カフェイン量の目安 |
|---|---|
| 抹茶1.5gを使う一服(湯70mL) | 48mg |
| 煎茶を200mL飲む | 40mg |
農林水産省のカフェイン含有量表に基づきます。煎茶は茶葉10g・湯430mL・90℃・1分で抽出した液の20mg/100mLを、200mLに換算したもの。上で紹介した4g・80℃・30秒の淹れ方の測定値ではありません。 抹茶は粉末100g当たり3.2gからの計算です。
この例では抹茶が少し多くなりますが、粉の量や淹れ方、一杯の大きさで変わります。ラテもミルクを足しただけでは、使った抹茶に含まれるカフェインは減りません。詳しく比べたい人は、お茶のカフェイン量比較へどうぞ。
飲む・ラテ・お菓子|用途に合わせた選び方
| したいこと | 選ぶときの目安 |
|---|---|
| 抹茶を点てたい | 無糖の抹茶。「薄茶用」「点てて飲む」などの案内があるものから |
| 抹茶ラテを作りたい | 甘さを自分で調整するなら無糖の抹茶。手軽に作るならラテ用ミックス |
| お菓子に使いたい | 抹茶を指定したレシピなら抹茶を。製菓用も候補にし、砂糖入りミックスで置き換えない |
| 急須でお茶を淹れたい | 煎茶の茶葉。急須がなければ煎茶のティーバッグも選べる |
「抹茶入り」と書かれた商品が、抹茶だけでできているとは限りません。ラテ用ミックスなどは、原材料に砂糖や乳成分が入っているかを見ると、追加する材料を決めやすくなります。
選ぶところから知りたい人は初心者向け抹茶の選び方、ラテを作りたい人は抹茶ラテの分量と作り方へ進んでみてください。
違いが分かったら、作ってみたい一杯へ
抹茶も煎茶も緑茶です。抹茶は碾茶の粉を混ぜて飲む、煎茶は茶葉から味を出して飲む。 この違いを押さえると、家で使う道具や飲み方も選びやすくなります。
- 抹茶を点てる時間を楽しみたい → 家で抹茶を点ててみる
- ミルクと合わせたい → 抹茶ラテを作ってみる
- いつものお茶を好みに近づけたい → 煎茶の温度を変えてみる
いちお茶初心者
よくある質問
抹茶は緑茶の一種ですか?
はい。緑茶には抹茶、煎茶、玉露などがあります。普段の会話で緑茶と呼んでいるお茶が煎茶なら、比べるのは抹茶と煎茶の違いです。
抹茶と煎茶の製法は何が違いますか?
抹茶は、日光を遮って育てた茶葉を蒸し、揉まずに乾燥した碾茶を細かな粉にします。煎茶は茶葉を蒸し、揉んで乾燥させます。煎茶にも被覆して栽培するものがあるため、日なたと日陰だけでは分けられません。
煎茶を粉にすれば抹茶になりますか?
なりません。煎茶を粉にしたものは粉末茶で、碾茶を原料にする抹茶とは異なります。また、粉茶は仕上げ工程でふるい分けた細かな茶で、茶こしなどで茶殻を分けて飲みます。
抹茶は湯に完全に溶けますか?
完全には溶けません。細かな茶葉の粉を湯に混ぜて飲むので、置いておくと沈むことがあります。お茶を抽出して乾燥させたインスタントティーとは作り方が違います。
抹茶と煎茶では、どちらのカフェインが多いですか?
公的な成分値を使った目安では、抹茶1.5gを使う一服は48mg、煎茶200mLは40mgです。煎茶の数値は茶葉10g・湯430mL・90℃・1分で抽出した場合の濃度による換算で、商品の分析値ではありません。抹茶の量や煎茶の濃さ、一杯の量で変わります。
抹茶ラテには何を選べばよいですか?
甘さを自分で調整するなら無糖の抹茶を、手軽に作るならラテ用ミックスを選びます。ミックスは砂糖や乳成分などを含むことがあるため、原材料と作り方を確認してください。




